米国の原子力安全の知見を、世界へ

安全・信頼・革新を国際社会へ

私たちの原点と理念

世界の原子力安全の未来を、信頼と知見でつなぐ

1991年4月、インターナショナルアクセスコーポレーション(IAC)は、米国ワシントンD.C.にて設立されました。その設立には一貫した理念があります――「アメリカで培われた最先端の原子力安全技術と規制の知見を、日本を含む国際社会に、正確かつ建設的に伝えること」です。

私たちの原点は、1979年に発生したスリーマイル島原子力発電所事故と、そこから始まる米国原子力界の混乱にあります。事故後、規制当局(NRC)と電力会社、メーカーの間には深刻な不信と対立が生まれ、罰則主義に基づく硬直的な規制が進行しました。さらに1986年のチェルノブイリ事故が、世界の原子力に対する不安を決定づけました。

こうした中で、米国では新たな規制の潮流が生まれます――「リスクインフォームド・レギュレーション(RIR)」と呼ばれる、信頼と合理性に基づいた、安全と効率性の両立をめざす規制哲学です。確率論的・科学的手法に基づき、事故データや運転実績を客観的に分析し、規制当局と産業界が協調して安全性を高めるというこの新しい考え方は、原子力への信頼を取り戻す鍵となりました。

IACは、このアメリカにおける革新的な取り組みを日本を含むアジア諸国に伝え、共に新しい安全文化を築いていくために創設されました。創業当初から、スリーマイル事故対応の象徴的存在であり、米国原子力安全の良心と称されたハロルド・デントン氏が私たちの活動に深く関与し、「安全」「信頼」「発展」の三本柱を掲げて歩みを進めてまいりました。

沿革

世界の知見を日本へ、そして未来へ。IACの30年の軌跡

1991年:IAC設立 – 規制の思想をつなぐ使命から始まった

  • ワシントンD.C.の志を継ぎ、東京にインターナショナルアクセスコーポレーション(IAC)設立

  • スリーマイル島事故の対応で世界的に名を馳せたハロルド・デントン氏(元NRC長官)を顧問に迎え、アメリカに蓄積された原子力安全と規制思想の最前線を、日本をはじめアジア諸国に伝える活動をスタート。

1990年代:日本の規制改革へ貢献

  • 日本における非効率な電気出力規制に対し、欧米型「熱出力規制」の導入を提言。

  • 結果として、原子力発電の規制合理化と経済性向上に貢献し、日本の制度改革の転換点を築く。

2000年代前半:米国「ニュークリア・ルネッサンス」の紹介

  • 米国で進行していた原子力復興の潮流(Nuclear Renaissance)を、日本へいち早く紹介。

  • 2006年6月:「よみがえるアメリカの原子力ルネッサンス」フォーラムを読売ホールにて開催。

    • 米NRC、INPO(原子力発電運転協会)、EPRI(電力研究所)の幹部を招聘し、約1,000人規模の大規模イベントを成功させる。

    • 原子力の新時代における安全思想と競争力の重要性を政策関係者へ訴求。

3.11の対策提言から、日米間の思想文化と経験を結ぶ唯一無二のコンサルタントへ

2007年:柏崎刈羽原発事故への国際対応

  • 中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の放射能漏れ報道(6万ベクレル)に対し、ワシントンD.C.で日本主要メディア16社向け緊急ブリーフィングを開催。

  • 科学的な分析をもとに「温泉水と同等レベル」と冷静な安全評価を発信し、国際的な誤解の是正と信頼回復に貢献

2011年以降:福島第一原発事故とその後

  • 2011年、福島第一原発事故を「人災である」といち早く国会等で証言。

    • 米西海岸BWR原発での事前備えを例に、日本のリスク対応遅れを明らかに。

  • 米ベクテル社などと連携し、乾式保管(ドライイン・ドライ)の重要性を提言。

  • 廃炉対応に向けて、「集約型・石棺型」処理戦略を日本に提案。

2010年代後半〜現在:政策と産業界の「懸け橋」へ

  • “安全・経済性・合理性”の三密体を原子力の基本原則とし、日米間の思想と経験を結ぶ唯一無二のコンサルタントとして活動を継続。

これからも、安全と信頼の未来へ

IACは、過去30年以上にわたり、原子力の安全性、合理性、そして国際的信頼の向上に取り組み、制度と現場、国内と海外、規制と産業の架け橋として歩みを重ねてきました。今後もその姿勢は変わることなく、日米の知見と経験を融合した政策提言と専門コンサルティングを通じて、原子力の持続可能な未来の構築に貢献してまいります。

さらに、日本政府の第7次エネルギー基本計画では、原子力の「脱炭素と安定供給のための有効な選択肢」としての位置づけが明確化され、次世代軽水炉、SMR(小型モジュール炉)、革新炉、さらには核融合エネルギーの推進が国家戦略に掲げられています。

また米国では、特にトランプ政権期において、原子力はエネルギー安全保障、産業競争力、外交・防衛の戦略資産として再定義され、国際展開・技術輸出の推進が本格化しました。

このように、原子力は今、単なる電源の一つではなく、エネルギー・技術・外交・安全保障を統合する国家戦略の中核となっています。IACは、そうした時代の潮流と責任を真摯に受け止め、引き続き、信頼と知見の懸け橋としての役割を果たしてまいります。

経営理念・ミッションステートメント

🔷 Mission(使命)

原子力安全の知見と信頼を、世界へ。
私たちは、アメリカで培われた最先端の原子力安全技術と規制の知恵を、日本をはじめとする国際社会に正確かつ建設的に伝え、安全で持続可能な原子力利用を支援します。

🔷 Vision(目指す姿)

リスクに向き合い、合理性でつなぐ原子力安全のグローバル・ブリッジへ。
世界中で原子力の安全性と経済性を両立する時代において、私たちは、科学的根拠と対話に基づいた新しい規制思想「リスクインフォームド・レギュレーション」の普及と実践を通じ、規制と産業、そして社会をつなぐ“信頼の懸け橋”となることを目指します。

🔷 Core Values(私たちの価値観)

Safety First(安全の最優先):       科学と実績に裏打ちされたリスク評価を軸に、安全性を継続的に向上させます。

Constructive Dialogue(建設的対話):  規制と産業、地域社会の間に信頼を築き、共に歩むパートナーとなります。

Integrity & Accuracy(誠実さと正確さ): 技術と制度の本質を正しく伝え、透明で信頼ある情報発信を行います。

Global Perspective(国際的視野):    米国での知見を基に、アジア・世界各国の原子力安全向上に貢献します。

Innovation for Progress(進化への革新): 革新を恐れず、新たな技術・思想を取り入れ、より良い未来を築きます。